実際の運用の手順

IP の貸し出し

基本的に IP アドレスはサーバにおいてクライアントに発行されます。 無人サーバでの運用でクライアントがサーバから IP アドレスを 取得するには、クライアントが保管されている洗濯バサミを一つ取ります。

スワップ領域に保管された IP は通常管理者に よって管理されます。管理者から許可が得られた場合には、そこから IP を取得することも可能です。また、有人サーバでは管理者に申請することで 洗濯バサミの取得が可能です。

複数の IP アドレスが必要な場合は、複数個の洗濯バサミの取得も可能です。 一定範囲のネットワークが要求された際に、サーバ側で増設ネットワーク として洗濯バサミの束を挟んである洋服掛けを用意することも RFC で 認められています。

ベンダ情報用紙は掲示もしくは用紙の貸し出しにより対応できるので、 1セット以上の準備があればよいでしょう。サーバ付近のわかりやすい 場所に設置します。


クライアントの設定

サーバから洗濯バサミを取得したクライアントは、それをなくさないように 細心の注意を払う必要があります。IP を利用するクライアントの ネットワークインターフェース付近のネットワークケーブルに 設置し、必要があればパッチを適用します。

設置後、割り当てられた IP アドレスと付加ベンダ情報用紙から IP 情報を IP 層の設定への転写を人間が行ないます。この手順はクライアントにより 異なるため、詳細は各システムのマニュアルを参照してください。 付加ベンダ情報用紙が貸し出されている場合は、設定後すみやかに 返却します。


IP アドレスの返却

クライアント側で IP が不要になった際には、IP の使用を停止後に 洗濯バサミをサーバへ返却します。この際、アドレッシング機能を持つ サーバであれば、アドレスにより指定された場所に洗濯バサミを格納します。 またアドレッシング機能を持たないものであっても、通常はソートして 格納することが求められます。

この DHCP 機構では TTL を実装し、サーバ側が IP アドレスの回収をする ことは困難ですが、全体のネットワークの利用を停止する際であれば 簡単に実装できます。まず、サーバは IP アドレスの新規配布を停止し、 続いて各クライアントに設置された洗濯バサミを回収します。この 手順により重複して IP が利用されることを防げます。クライアントの IP 使用停止は回収後であってもかまいません。


IP アドレスの管理

サーバ側で現在使用中のアドレスを管理するために、全ての貸し出し アドレスの範囲を把握しておくことが重要です。また、簡単に検索できる ようにするためには、アドレッシング機能を持つサーバを利用するか、 信頼できるクライアントによってサーバ上メモリ空間のソートがなされて いる必要があります。このどちらかが実装されていれば、順番にメモリ 空間を探索することで、どの IP アドレスが利用されているか確認できます。 どちらも実装されていないと、使用中アドレスの確認は困難でしょう。

また、クライアントが現在割り振られているアドレスを確認するためには、 NIC 付近の洗濯バサミに付けられた IP アドレスを見ます。 クライアントの電源が切れていても確認できるので便利です。


戻る