VERIFY(8)                                                            VERIFY(8)



名前
       verify - Postfix アドレス検証サーバ

書式
       verify [generic Postfix daemon options]

解説
       verify(8)  アドレス検証サーバは、配送できるかできないかわかっている受信
       者アドレスの記録を管理します。

       アドレスはプローブメッセージを Postfix キューに挟むことで検証されます。
       プ ローブメッセージは最終的な配送を除く全てのルーティングおよびアドレス
       書き換え機構を通り、遅延やバウンスされることなく破棄されます。

       アドレス検証は指定されたアドレスに最も近い MTA からの応答を信用するため
       、配送できないアドレス全てを検出するわけではありません。

       verify(8) サーバはPostfix masterサーバの制御下で動くよう設計されてい ま
       す。 これはオプションの永続的なデータベースを管理します。データベース更
       新中の "postfix stop" によって中断されることを避けるには、このプロセ ス
       を別のプロセスグループで動かします。

       verify(8) サーバは次の要求を実装しています:

       update address status text
              指定されたアドレスの状態とテキストを更新します。

       query address
              指定されたアドレスの statustext を検索します。状態がわからな
              い 場合、プローブが送られて "in progress(検索中)" 状態が返されま
              す。

セキュリティ
       アドレス検証サーバはセキュリティに注意を払う必要がありません。ネット ワ
       ークには話しかけず、ローカルユーザとも話をしません。検証サーバは chroot
       された環境で低い特権に固定して動かすことができます。

       アドレス検証サーバは不要な情報の量を無制限に溜めさせることができます 。
       キ ャッシュサイズを制限することで、ある問題 (ディスクi スペースを使い果
       たすこと) と別の問題 (クライアントの要求に対する応答時間の遅さ) とを 引
       き換えます。

診断
       問題や処理は syslogd(8) に記録されます。

バグ
       ア ドレス検証サービスは扱うメールの量が少ないサイトにしか適していません
       。検証プローブはメールキューに余計な流量を増やし、高い負荷の下ではパ フ
       ォ ーマンスが落ちます。過剰にプローブを送ったり、存在しない受信者アドレ
       スに過剰にプローブを送るサイトをブラックリストに載せるサーバがあるか も
       しれません。

       永 続的データベースが壊れると、世界が終わりになり、人間の干渉が必要にな
       ります。これは Postfix の基本的な原則を破壊します。

設定パラメータ
       verify(8) プロセスは永続的であるため、main.cf への変更は自動的には取 得
       されません。設定の変更後は "postfix reload" コマンドを使ってください。

       以 下 の 文 章 はパラメータの概要のみを提供します。例を含む詳細は post-
       conf(5) を参照してください。

キャッシュ制御
       address_verify_map (empty)
              永続的なアドレス検証状態ストレージの、オプションの検索テーブル。

       address_verify_sender (postmaster)
              アドレス検証プローブで使う送信者のアドレス。

       address_verify_positive_expire_time (31d)
              成功したプローブがアドレス検証キャッシュから消えるまでの時間。

       address_verify_positive_refresh_time (7d)
              成功したプローブのアドレス検証キャッシュの更新が必要となるまでの
              時間。

       address_verify_negative_cache (yes)
              失敗したアドレス検証プローブの結果のキャッシュを有効にします。

       address_verify_negative_expire_time (3d)
              失敗したプローブがアドレス検証キャッシュから消えるまでの時間。

       address_verify_negative_refresh_time (3h)
              失敗したプローブのアドレス検証キャッシュの更新が必要となるまでの
              時間。

プローブメッセージのルーティングの制御
       デ フォルトでは、プローブメッセージは通常のメッセージと同じルートを通っ
       て配送されます。以下のパラメータは、特定のメッセージルーティングメカ ニ
       ズムを上書きするのに使います。

       address_verify_relayhost ($relayhost)
              アドレス検証プローブに対して、relayhost パラメータ設定を上書きし
              ます。

       address_verify_transport_maps ($transport_maps)
              アドレス検証プローブに対して、transport_maps パラメータ設定を 上
              書きします。

       address_verify_local_transport ($local_transport)
              アドレス検証プローブに対して、local_transport パラメータ設定を上
              書きします。

       address_verify_virtual_transport ($virtual_transport)
              アドレス検証プローブに対して、virtual_transport パラメータ設定を
              上書きします。

       address_verify_relay_transport ($relay_transport)
              アドレス検証プローブに対して、relay_transport パラメータ設定を上
              書きします。

       address_verify_default_transport ($default_transport)
              アドレス検証プローブに対して、default_transport パラメータ設定を
              上書きします。

その他の制御
       config_directory ('postconf -d' の出力を参照)
              Postfix  main.cf  お よび master.cf 設定ファイルのデフォルトの場
              所。

       daemon_timeout (18000s)
              ビルトイン監視タイマーによって終了するまでの、Postfix デーモンプ
              ロセスが要求を扱うことができる時間。

       ipc_timeout (3600s)
              内部通信チャネルを通して情報を送受信する際の時間制限。

       process_id (read-only)
              Postfix コマンドまたはデーモンプロセスのプロセス ID。

       process_name (read-only)
              Postfix コマンドまたはデーモンプロセスのプロセス名。

       queue_directory ('postconf -d' の出力を参照)
              Postfix トップレベルキューディレクトリの場所。

       syslog_facility (mail)
              Postfix ロギングの syslog facility 名。

       syslog_name (postfix)
              例 えば "smtpd" が "postfix/smtpd" となるようにするために syslog
              レコードのプロセス名の前に付けられるメールシステムの名前。

関連項目
       smtpd(8), Postfix SMTP サーバ
       cleanup(8), Postfix メッセージのキュー投入
       postconf(5), 設定パラメータ
       syslogd(5), システムロギング

README ファイル
       ADDRESS_VERIFICATION_README, アドレス検証 howto

ライセンス
       The  Secure Mailer license はこのソフトウェアと一緒に配布されなければい
       けません。

歴史
       このサービスは Postfix バージョン 2.1 で導入されました。

作者
       Wietse Venema
       IBM T.J. Watson Research
       P.O. Box 704
       Yorktown Heights, NY 10598, USA



                                                                     VERIFY(8)