BOUNCE(8) BOUNCE(8)
名前
bounce - Postfix メッセージバウンス・遅延デーモン
書式
bounce [generic Postfix daemon options]
解説
bounce(8) デーモンは不達状態情報をメッセージごとのログファイルで管理し
ます。それぞれのログファイルは関連するキューファイ ル か ら 名 付 け ら
れ、master.cf ファイルのサービス名(bounce か defer または trace のどれ
か)のキューサブディレクトリに保存されます。このプログラム は master(8)
プロセスマネージャから起動されることを想定しています。
bounce(8) デーモンは2種類のサービス要求を処理します:
o メッセージごとのログファイルに受信者の(非)配送状態記録を追加しま
す。
o メッセージごとのログファイルのコピーと、対応するメッセージのコピ
ーとともに、バウンスメッセージをキューに入れます。バウンスメッセ
ージが問題なくキューにはいると、メッセージごとのログファイルは削
除されます。
ソ フトウェアは通知しようと最大限努力します。ログファイルやオリジナルメ
ッセージが読めない場合でも、不達通知は送られます。
bounce (defer, trace) クライアントはオプションで、要求した操作が失敗 し
た 時にログファイルを消すように要求できます。これはクライアントが自分で
処理の再試行ができず、クライアント自身が再試行のロジックに依存してい る
時に使います。
標準
RFC 822 (ARPA インターネットテキストメッセージ)
RFC 1894 (配送状態通知)
RFC 2045 (インターネットメッセージ本体の書式)
診断
問題や処理は syslogd(8) に記録されます。
設定パラメータ
bounce(8) プロセスは限られた短時間しか動かないため、main.cf への変更は
自動的に拾われます。この変更を早くしたければ "postfix reload" コマン ド
を使ってください。
以 下 の 文 章 はパラメータの概要のみを提供します。例を含む詳細は post
conf(5) を参照してください。
2bounce_notice_recipient (postmaster)
送信者に返せない不達メールの受信者。
backwards_bounce_logfile_compatibility (yes)
2.0以前のバージョンのPostfixでも読める、追加の bounce(8) ロ グ
ファイルレコードを生成します。
bounce_notice_recipient (postmaster)
Postfix が配送しなかったメールのヘッダ、および Postfix が受け取
らなかったメールの SMTP 対話の写しを持つ、ポストマスターへの通知
の受信者。
bounce_size_limit (50000)
不達通知で送られるオリジナルメッセージテキストの最大量。
config_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix main.cf および master.cf 設定ファイルのデフォルトの場所
。
daemon_timeout (18000s)
Postfix デーモンプロセスがビルトイン監視タイマーによって終了させ
られるまでに要求を扱える時間。
delay_notice_recipient (postmaster)
$delay_warning_time 時間単位内に送れなかったメールのメッセージヘ
ッダを持つ、ポストマスターへの通知の受信者。
deliver_lock_attempts (20)
メールボックスファイルや bounce(8) ログファイルの排他的ロック を
獲得しようとする最大回数。
deliver_lock_delay (1s)
メ ールボックスファイルや bounce(8) ログファイルの排他的ロックを
獲得しようとする時間間隔。
ipc_timeout (3600s)
内部通信チャネルを通して情報を送受信する際の時間制限。
mail_name (Postfix)
Received: ヘッダや SMTP グリーティングバナー、バウンスされたメー
ルに表示されるメールシステム名。
max_idle (100s)
Postfix デーモンプロセスが終了するまでに次のサービス要求を待つア
イドル時間の最大量。
max_use (100)
Postfix デーモンプロセスが終了するまでの接続要求の最大数。
notify_classes (resource, software)
ポストマスターに報告されるエラークラスのリスト。
process_id (read-only)
Postfix コマンドまたはデーモンプロセスのプロセスID。
process_name (read-only)
Postfix コマンドまたはデーモンプロセスのプロセス名。
queue_directory ('postconf -d' の出力を参照)
Postfix トップレベルキューディレクトリの場所。
syslog_facility (mail)
Postfix ロギングの syslog facility 名。
syslog_name (postfix)
例えば "smtpd" が "postfix/smtpd" となるようにするために syslog
レコードのプロセス名の前に付けられるメールシステムの名前。
ファイル
/var/spool/postfix/bounce/* 非配送記録
/var/spool/postfix/defer/* 非配送記録
/var/spool/postfix/trace/* 配送状態記録
関連項目
qmgr(8), キューマネージャ
postconf(5), 設定パラメータ
master(5), 一般的なデーモンオプション
master(8), プロセスマネージャ
syslogd(8), システムロギング
ライセンス
The Secure Mailer license はこのソフトウェアと一緒に配布されなければい
けません。
作者
Wietse Venema
IBM T.J. Watson Research
P.O. Box 704
Yorktown Heights, NY 10598, USA
BOUNCE(8)